ローマ カラチェニ 単独インタビュー(11月には以前に戻ることを願う)

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ローマ カラチェニ 単独インタビュー(11月には以前に戻ることを願う)

Andrea Sinigaglia Caraceni

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないイタリア・ローマで、名門サルト「ローマ・カラチェニ」のアンドレア・カラチェニ代表(Andrea Sinigaglia Caraceni)にインタビューすることができた。厳しい1年を振り返り、2021年をどう乗りきるのか、現状と今後について語ってくれた。イタリアでは、州をまたいでの移動が制限され、食事会、パーティーなど、社交の機会がゼロの状態である。その中で、ローマ・カラチェニの、これからの舵取りを聞いた。(取材=JUNKO MORI、2021年1月27日)

――2020年を振り返って、ビジネスはどうでしたか
この1年は、とても異常な、特別な時期でした。昨年は、ロックダウンに伴い2か月、完全にサルトリアを閉めました。再開した時は、仕事のボリュームは大変少なかった。しかし、パンデミックの前に受けた注文がたくさんあったので、その仕事をこなすうちに、外国の顧客からの注文が入ってきた。すでにあった型紙を利用し、仕立てて、送りました。また、イタリア人の常連の人たちが、会いにきてくれたついでに、活気をつけるために洋服を注文してくれたりと、仕事の量は減ったものの、皆さんに支えられてます。ありがたいことです。

――顧客の購買心理に変化は
顧客からは、相変わらず注文をいただいている。以前と違うのは、外出の機会が少なくなったこと、夕食会など、社交的な場が少なくなり、新しい服の必要性が減少したことで、全体的としては減りましたが、仕事は確保しています。僕たちは、ラグジュアリー分野の仕事をしています。ですから、お客さまは、パンデミックの打撃が少ない方が多いです。とは言っても、企業の経営をしている方などですが、打撃がなかったとは言えないですね。以前は、イベント、パーティーなどが満載だったのが、ゼロになったわけですから、洋服の必要性が必然的に減ったのです。洋服は、機会があって欲しくなるものですから、この状況では購買欲下がりますよね。売れている人気商品は、日中に着用するスポーツタイプのジャケットなどですね。パーティーなどに着用するフォーマルウェアの数は落ちています。

――密になると感染のリスクが高まりますよね
顧客とのコミュニケーションは、この状況下でも実際に会って仮縫いをする必要があります。インターネットでのZoomなどは使いません。完全に密接が禁止にならない限り、5分でもお客さんに試着してもらい、目の前で確認することが重要です。現在の問題は、移動です。今は、オレンジゾーンですから、隣の州からのお客さんが来れない状態にあります。

――従業員は
サルトリア内の人数はあまり変わっていません。距離を置きつつ、皆ここで働いています。強いて言えば、生地の業者の方などの出入りを減らしている。また、パンデミック前はローマ大学の学生さんが授業として、見学に使ってもらっていたのですが、中止になっています。残念です。

――生地の仕入れは
生地の購入は、伝統的に見本の束を送ってもらい注文するという形式なので、問題はないです。セールスの方の訪問は、お断りさせてもらっています。お互いに仕事は減りましたが、仕方ないですね。毎朝、サルトリアの門を開けつつ、天に感謝するのみです。サルトリア業界が変わったかと考える時、世界がこんなに変わったのだから、この業界も変わるのは当たり前という考え方をします。

これからのビジネスですが、イタリアのこのサルトリアの文化は、国内はもちろんですが、国外で更に称賛されているように感じますし、益々そうなるでしょう。ですから、サルト自ら、あらゆる場所に赴く必要があると思います。世界は変わり続けています。それに合わせ、絶えず新しいビジネスを繰り広げる必要があります。世界のテンポに合わすということでしょうか。コロナウイルスについてですが、夏以降、秋くらいまではこんな感じでしょう。11月くらいから少しずつ平常に戻ってくると思います(願います)。国境が自由になるまでは、外国人のお客さんを待たないといけない。残念です。

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