ローマで注目のサルトリア「ガエターノ アロイースィオ」を単独取材

イタリア 海外からの通信

ローマで注目のサルトリア「ガエターノ アロイースィオ」を単独取材

最年少・22歳の若さで金のはさみ賞(Forbici d’oro)を獲得

ローマで注目のサルトリア「GAETANO ALOISIO(ガエターノ アロイースィオ)」を単独取材した。創業者であり経営者でもあるガエターノ氏(56)はカラブリア州の出身。16歳の時、ミラノに出て、仕立ての修業を積む。その後、ローマに移り、LUZZIの工房で働き、27歳で独立した。スペイン広場から徒歩で約10分のところにある、マルタ別邸の歴史的建造物の中にアトリエを構えている。職人は35人。顧客はアラブ・中東・フランス・アメリカ・ロシア・日本・中国など広範囲にわたる。新型コロナウイルスの影響について「世界のVIPを相手にしているので、業績は決して悪くない」と力強いコメントを語ってくれた。(取材=JUNKO MORI ローマ在住)

--27歳で工房を開けて、独立したということですが、その経営方針について
伝統的・実直な職人であり続けながら、同時に企業家でありたい。歴代の金のはさみ賞の受賞者の中で、私が最も企業を拡大したと思っています。どのようにすれば、生産をスムーズに、かつ、完ぺきに管理された状態で進められるかを重要視しています。そのために、人材をグループ分けし、グループごとに技術を高めていくという方法を取っています。常に、会社の成長を考えています。現在 、スペイン階段のすぐ上のシスティーナ通りに第2店舗になるブティックのオープンを控えています。また昨年から、パルマの伝統的な技術を持つ優秀な靴職人とのコラボレーションで、アロイースィオの服と合わせるための靴の生産も始めています。次回の日本のトランクショーは今年の九月の予定ですが、是非持っていきたいと思っています。輸出は、アラブ・中東・フランス・アメリカ・ロシア・日本・中国など広範囲にわたっています。
--工房には何人の職人が
職人はシャツを除いてはすべて、このピンチアーナの工房で作業を行っています。35人の人が働いています。
――用意しているブランド生地は
生地はイタリアとイギリスの生地を主に使っています。ロロピアーナ、ドラゴ、ゼニア、スキャバル、ホーランド&シェリー、ドーメルなどです。私の顧客は、生地に対して高い知識を思っているため、各メーカーの最高級の質のものを使用しています。
――新型コロナウイルスの感染拡大の影響は大きいと思うが
コロナ禍についてですが、今、世界中の人が特別な時期を過ごしているといえるでしょう。しかし、私の顧客たちは、世界のVIPと言われるような人たちで、困難な状況にあるといえども、社交があったりして、洋服は必須なので、私個人の仕事にはあまり影響がないといえます。ですから、仕事の全体量はあまり減っていません。強いて言えば、工房内の衛生面にマスク着用などの気配りくらいだと言えます。また、必ず収束を迎えると願い、信じています。
――アカデミアの代表に就任したと聞きますが
私のこれからの希望ですが、昨年、10月にアカデミアの会長に選ばれまして、今までのサルトアカデミーをさらに拡張させ、このヴィラの中に移動させ、スクールの質を高めていくことを決めました。現在、高齢のマエストロといわれる人たちは、次世代のサルト養成に十分な努力をしなかったと感じることがあります。ですから、アカデミーを通じて若者の教育に力を注ぎたいのです。講師はすべて、アカデミーのマエストロです。外国人の生徒も、たくさん受け入れたいです。
――日本の若者たち、日本のテーラーについて
日本とは2007年からコラボレーションしています。友達もたくさんいます。日本人の考え出すプロジェクトには、とても興味があります。東京では、たくさんの若者たちに出会いました。皆、洋服作りにたいへんな情熱を持っていると感じました。さらに、知識とイタリアでの技術習得が加われば、たいへんよい結果が期待できるでしょう。
――洋服についての考えを
私の服はローマでもなく、ナポリでもなく、ガエターノ・アロイースィオのスタイルだと言えます。私の仕事は、洗練されたシルエット、外側、内側、細部に至るまで厳格と言えるほどに正確で、きちんと心くばりがされていると言えます。すべて計算されていて、偶発的な要素は、まったくないです。芸術の法則といってもいいかもしれませんが、すべてが完ぺきでないとだめだと思っています。細かいステッチは非常に細かく、きちんとした仕上げに欠かせません。
――当然、着用感も
ジャケットは軽く体をなでるような感覚がないとだめです。身につけたとき、中にある体が心地よいと感じることが大事です。いわば、第2の皮膚といってもよいです。靴と同じことです。心地良いことが第一です。

【ガエターノ アロイースィオ氏 56歳】
1963年 イタリア・カラブリア州 ロッカ ディ ネート市生まれ 56歳。幼いころから、とにかく服が好きで、エレガントな着こなしに憧れていた。両親は、まったく違う分野の仕事をしていた。が、自分だけサルトになりたいと志願し、1980年、16歳でミラノを訪れ、修業を重ねた。1984年、首都・ローマに拠点を変え、LUZZI(サルトアカデミーの会員であり、金のはさみ賞の獲得者でもある)の工房で働いた。1986年 最年少・22歳の若さで金のはさみ賞(Forbici d’oro)を獲得する。その記録はいまだに破られていない。1991年1月1日、27歳で自らの工房を開けた。1995年、次第に海外への進出を果たし、政界や業界の実力者に認められるようになる。その中には各国の王室や、首相・大統領も含まれる。2011年、イタリア大統領・ジョルジョ・ナポレターノから、イタリア共和国功労勲章を与えられる。2013年、ローマの中心部・スペイン広場、ヴェネト通りの近くで、エレガントな地区にあるマルタ別邸の歴史的建造物の中に、アトリエを構える。その横にブティックも創設された。2019年、イタリアサルトアカデミー会長、世界注文洋服業者連盟・副会長に選出された。

ATELIER   Via di Porta Pinciana 1

00187 Rome Italy        tel +39 06 8081621

www.gaetanoaloisio.com

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