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昨年の上質スーツ地(ウール又は繊獣毛85%以上の梳毛織物)は着分平均価格が2.6%アップしていることが、財務省貿易統計からわかった。ビキューナ、カシミヤなど、その年によって高額品の輸入が数値を上げるとされているが、輸入価格からみて、大幅上昇とは言えないだろう。最も多く輸入されているイタリアでみると、数量、金額とも増加しているものの、1㎡あたりの価格は前年比95.2%と、むしろ下がっている。一方、英国では+7.2%、中国+11.0%となっているなど、全体の6割のシェアを占める中国梳毛の価格上昇が、全体を押し上げていると考えられるだろう。イタリアにおいては価格を下げることで、輸出増進につなげる策を推進しているとの情報もあり、むしろニーズに合ったテキスタイルの生産に取り組んでいるのが現状。世界的に経済が低迷するなか、海外のテキスタイルメーカーも柔軟な対応に迫られているようだ。
日本のスーツ市場は、売り上げに伸び悩む現状を見通し、クオリティーを上げることでカバーしようと考える企画が、有力アパレルメーカーなど中心に顕著である。商品価格を上げ、利益を追求する一方、仕入れコストを抑えるなどの動きも活発化するなど、イタリアなどのミル、マーチャントも輸出国のニーズに対応したものづくりが必要になってきている。
2015112月のスーツ地(梳毛織物)の輸入は、数量で90.7%、1755万㎡、金額で99.4%、174億円となった。
ウール85%以上のスーツ地は数量で前年比100.9%(1073万㎡)とほぼ横ばいで推移し、金額で同103.5%(130億円)と微増で推移した。さらに、1㎡あたりの価格を割り出すと、前年比102.6%、1213円。主要国で平均値を計算すると、1㎡あたりの価格はイタリア95.2%、英国107.2%、中国111.0%で、むしろイタリアではダウンしている。イタリアの場合、輸入量が前年比+113.9%、金額が+108.4%で推移した結果と言えるだろう。ちなみに、その他の梳毛は1㎡あたり642円、13.6%の上昇となった。

主要3国にみる、梳毛織物の輸入をみると、全体のシェアは、数量では中国が60.0%、イタリア30.5%、英国5.6%、金額ではイタリア49.7%、中国35.0%、英国11.3%であった(右ページグラフ)。また、高級スーツ地だけをみると、イタリアが輸入量で前年比13.9%、約14%の増加となった。このほか、その他のスーツ地では中国が数量で23.6%の減少を示した(右ページ表)。1㎡あたりの高級スーツ地の価格は英国製が1981円、7.2%アップで最も高い金額であった。
(Vol.85_86   7-9p詳細)

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