Bespoke News

■10年がふた昔前…
今号で「ビスポークニュース」が100号となった。2008年の創刊から10年。業界を俯瞰すると、ずいぶん変わったことに気づく。顧客の高齢化で廃業するテーラー、後継者がいないため、やむなく商売をたたむ。縫製技術者の高齢化・減少もある。業界では、マイナス要因ばかりだと思う一方、ネットが大幅に進化・普及したことで、工場仕立てによるオーダースーツビジネスが急成長した。既製服派がオーダースーツへと流れ、メンズスーツの全景はまさしくオーダーブームにある。イージーオーダーが低価格、2着セールを新聞織り込みチラシでPRし、業界に新風を巻き起こしたのは、ふた昔も前のように感じる。注文から支払いまでネットで完結できる時代。1回注文(採寸)すれば、次回からはネット上で生地を選ぶだけでスーツを注文できる。都市部在住でなくても、地方客には便利になった。総務省の調査では、利用者の7割以上(20代から60代以上まで)が「実店舗へ出向かなくても買い物ができるから」が理由である。旅行の航空券・宿泊予約申し込みにネットを使うケースは多く、今や、珍しいことではなくなった。どこにいても、商品が購入でき、カード決済までスムーズに完了する。旅行社の窓口に行列を見たのは遠い昔のようだ。
■10年後は
政府主導の働き方改革推進により、会社へ出なくても、自宅で仕事をする環境が整いつつある。そうなると、現実は厳しい。知り合いがコンサルをしている会社が、出勤しなくてもよい労働・雇用条件を作った。取引先から仕事をデータ送信で完結させる。すると、優秀な人に仕事が集中して、能力のない人材があぶり出されたのだ。結果は言うまでもない。適当に働いて給料をもらっていた人にとって、怖い時代がそこまで来ている。経営者も人材に対して費用対効果を厳しく求める。平たく言えば、給料分は稼いでくれということを、もっと明確に押し出すことになる。そのうち、優秀な外国人上司に使われる日本人の姿が日常になり、簡単な接客、作業仕事はロボットがこなしている。10年後、テーラー業界は?本流の仕立てができるテーラーが生き残り、手づくりの洋服は希少価値を高めている。若手が技術を上げ、国境を越えた、新しい時代のテーラー界を築いているかも知れない。

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