ナポリを本拠地に、高級イタリア服地のブランドとして、有力テーラーに浸透している「カチョポリ」は11人の家族経営であるが、クオリティー、色柄など、最新のニーズに合った企画、商品政策を推進。日本では、オシャレ、プレステージを追求する消費層の支持を得ながら、テーラーへと着実に浸透している。ここでは、カチョポリのストーリー、最新の企画、商品開発への取り組みなどについて、ヴィンチェンツォ・カチョポリ氏にインタビューした。(ローマ=Junko Mori)
――カチョポリの哲学・理念などについて
クオリティーの高さを一番に考えています。そのために、生地の製造元は、Loro Piana(ロロ ピアーナ)やCanonico(カノニコ)、Guabello(グアベロ)、Barberisなど、信用のおけるメーカーに委託しています。同時に、クオリティーと価格のバランスをいつも考えています。生地にデザインはとにかく、MADE IN NAPOLIを土台に考え、模様・色はカチョポリの特色を強く出すようにメーカーに頼んでいます。地中海に面するナポリの町ですから、地中海の色・ブルーにこだわっている。商品の6割がブルーを基調としていると言ってもいいだろう。さまざまな素材の中で濃いブルーから薄いブルーから様々なトーンにこだわりがある。
――ナポリの洋服事情について・・
ナポリのサルトリアは世界一だと信じている。若者不足の問題はあるが、洋裁学校も発達している。以前はナポリから動かなかったバイヤーも世界に進出し、ナポリの名前を広めている。また、マリネッラのような有名な店がナポリをファッション界で先導してくれているとも言える。(続きはVol85_86に全文)