5月16日、イタリア・ローマの中心街でBespoke Newsのスタッフが撮影した写真(下)。新型コロナウイルス感染防止としてのワクチン接種が進み、バール、カフェには多くの人が、ノーマスクで休日を楽しんでいる。また、イタリアでは、入国許可国として日本を受け入れる(PCR検査証明が必要)と発表。6月30日からフィレンツェで第100回記念となる「ピッティ ウオモ」メンズファッション展示会を開催する予定で、日本からのバイヤーにも広く呼びかけている。日本は5月中旬から高齢者優先に、ようやくワクチン接種の予約がスタート。6月には2回接種が完了する予定である。
厳しいコロナ禍経済は、多くのアパレル関連企業、小売店に打撃を与えている。5月は31日まで百貨店、大型商業施設等が営業を自粛。6月からの再開となるだろうが、春夏物の書き入れ時だけに、1か月間のブランクは大きい。特に、百貨店に比重を置いた販売形態を取っているメーカー、インポーター、セレクトショップなどには、苦しい展開が待ち受けているとされる。「5月までは時短給付金等で凌いできたが、6月からの経営に先が見えない」「持続化給付金でやりくりしてきた1年だが、売り上げが落ち込み、今年が正念場になる」などの声を聞く。低価格競争で急成長した企業が、昨年後半から売り上げが右肩下がりとなり、大きな売り上げから3割、4割ダウンで推移とするケースも現実である。納入、取引業者がその煽りで経営が圧迫。ビルを売却、事務所の移転、従業員の解雇に追いやられている。これからの数か月で、メンズ業界がどう動き、変わるのか、目が離せない。