定年後からがオシャレで長生きを

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定年後からがオシャレで長生きを

60代の突然死
ヒートショックで1月と2月で、近所近隣の知り合い2人が亡くなった。67歳と69歳。どちらも風呂場での突然死である。奥さんは朝まで気付かなかった。酒を飲んで、夜なかの2時ごろ、風呂に入る気配は知っていたという。朝、風呂の洗い場に倒れて、動かなくなった亭主を見て、腰が抜けるほど驚いた。警察に通報すると、現場検証など、あれやこれやと調べられ、救急車で病院に着くや、死亡が確認されたという。もう一人も、酒を飲んで、風呂に入り、倒れていたのを、朝になって奥さんが発見した。ひとりの奥さんは今も妻にピアノを習っていて、世間話をする関係だ。レッスンを終えて「うちは子供がいないから、主人だけが生きる支えなの」と妻に話して帰った翌日のことであった。通夜にうかがったが、奥さんは茫然としていて、いかにショックが大きかったか、その表情に出ていた。ヒートショックとは、急激な温度の変化により血圧乱高下脈拍変動が起こることだが、寒い日などは特に注意しないと、健全な人でも危ないらしい。

長寿国日本と言われ、人生100年時代の生活設計をテレビなどで見るが、どうも納得できない。大正から戦前の人は、丈夫で長生きしているが、われわれ60代の連中となると、100歳まで生きることはないと、自分なりに確信している。まあ、せいぜい80歳がいいところじゃないか。総入れ歯になった、胃がんで3分2を切除した、腎臓が悪くて、すぐ疲れる。糖尿病でグリーンカードを持っている。京大から最大手の損保に就職し、定年を迎えた知人の場合、奥さんが不治の病で看病、否、介護に追われている日々。皆、友人である。これが現実である。もちろん、元気はつらつの友人はいる。しかし、平均寿命は短くなっている、なってくるはずだ。

■定年後こそ、オシャレで長生きすべき
「人間性なくして、すぐれた品質はけっして生まれない」。今号「ピッティ ウオモ」の特集で紹介したブルネロ クチネリ氏のモノ作りに対する哲学である。その人間性とは、人が尊重される環境で育まれるもので、いわゆる幸福につながることでなければならないと説明する。平たく言えば、いい洋服は人を幸せにするということである。高齢者でオシャレな人は、生き生きしている。とにかく、出かけることが好きなようだ。お気に入りの服装をして、喫茶店へ、あるいは趣味、社交の場へ定期的に顔を出す。お向かいの主人は94歳だが、いつもオシャレなセーター、帽子をかぶり、散歩、ゴミの整理などしている。あいさつしても、元気そのものである。現役を引退したから背広はいらないお客が多いと聞くが、こういう時こそ、これからのライフスタイルをオシャレで提案してあげてはどうだろう。これぞテーラーの仕事だと思うのだが。


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