■平成最後に籍を入れ、新元号で結婚式をする友人の娘
天皇陛下の譲位で来年5月1日に元号が「平成」から改元される。年が明ければ、新元号の予想がさらに過熱するだろう。同時に、これにあやかった行事、商売も、いろいろ登場するに違いない。新元号に“あやかり婚”が増えそうだ。先日、高校時代の悪友忘年会のとき、成績優秀も教師に超嫌われていた一人が「娘(29)は10月、とりあえず籍を入れた。結婚式は新元号にあやかって、2019年の夏か秋頃、ハワイで挙げる予定だ」という。「親はボーっとしているのに、娘は考えて生きとるわ」と、照れ草そうに自慢していた。平成と新元号を取り込んで、福をもらおうということらしい。百貨店恒例の福袋も平成最後を訴え、こちらも過熱しそうだ。
業界に目を移すと、銀座テーラーが“EMPEROR SPECIALLY MADE FOR GINZA TAILOR BY DORMUEL”の耳ネームを入れた紺と黒の特別生地を用意している。
■新元号、ソニー生命のアンケート予想1位は「平和」だが、Hはない?
2019年にかけて、共通の話題は、新元号は何かの予想だろう。元号は645年の大化の改新から平成まで247を数える。ところで、ソニー生命の新元号予想アンケート(平成生まれ500名、昭和生まれ500名)によると、1位「平和」(47名)、2位「和平」(19名)、3位「安久」(17名)となっている。平和で安心できる世の中への願いが込められているのではと考えられる。また、新元号の予想漢字では、1位「和」(165名)、2位「安」(118名)、3位「平」(112名)、4位「明」(91名)、5位「成」(58名)となった。損保関係者によると、書類等における生年月日の選択で、Hが2つ並ぶと混乱するため、それはないだろうと、説得力のある話だ。
■状況を察知して急停止、方向転換ができるイノシシの年に
紳士服業界はZOZOタウンのオーダーに話題が集中した。果たして、ヌード採寸でスーツができるのか。噂では、「上着はぴったりであった」「全然、寸法が違っていた」など、評価は賛否、まちまちのようだ。若者には、ZOZOというブランドが先行し、クオリティーよりも記念商品のような価値観で受け入れられているとの見方もある。10万着、15万着のオーダーがあると言うが、定かではない。縫製ができなくて、数カ月待ちという事態も、異常なZOZO現象である。男の品格であるはずのスーツだが、ここまでくると、本来のステータスが見えなくなってくる。来年は少しずつ落ち着きを取り戻し、本流のオーダースーツが売れる機運が高まることを願いたい。猛進だけではなく、急停止するなどして、方向転換もできるイノシシの年にしてほしい。