長谷川喜美さんが語る英国サヴィルロウとテーラー

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長谷川喜美さんが語る英国サヴィルロウとテーラー

3月6日、大阪のOMMビルでマルキシ後援による長谷川喜美さんの講演会があった。背広発祥の地で知られる英国サヴィルロウを取材し、出版したその写真集を紹介、販売するためのセミナーでもあった。長谷川さんは英国の名門テーラーであるヘンリープール、ギーブス&ホークス、ハンツマンはじめ、イタリアのカラチェニ、フランスのフランチェスコ・スマルトなどを取り上げ、それぞれのテーラーの特徴、商売などについて語った。また、英国を代表するハリスツイードについて、家内工業規模で丁寧に織り上げられている品質、協会が認証することで品質保証をしている現況などにも触れた。
<サヴィルロウとは>
ヨーロッパにおいて、英国がテーラーの第一であることはイタリアもフランスも認めるところ。カラチェニの場合でも、英国で技術を学び、それが礎となって、今日の名声を築いている。したがって、クラシコ・イタリアが人気だと日本では言うが、英国としてイタリアと対比されること自体が論外とする。背広の聖地であることの誇り、伝統を固持している。
長谷川氏の話だと、大英帝国が世界の4分1の人口を支配していた19世紀、その権力、経済力、王室からの発注がテーラーを繁栄させた。ヘンリープールでは当時、約300人の職人を抱える大所帯であった。軍服、背広は権力・政治に結び付いているのだと。金融の中心があり、そこに世界から富裕層(アラブ、ロシア、中国など)が集まる。
サヴィルロウでシングルスーツの1着の価格は約3000ポンド(50万円くらい)。お客は1回で3着から注文する。ターンブル&アッサーでは6着から。
<フランス>
パリの注文洋服が世界で一番高いとされており、フランチェスコ・スマルトでは7千ユーロから(98万円~)。ちなみに、モロッコのハッサム2世はスマルトでの1回の注文が1千着というから、凡人、日本レベルではとても信じがたい数字である。
(詳細はBepoke NewsVol.64号にて)
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