2015年春夏「第86回ピッティ インマジネ ウォモ」が6月17~20日、イタリア・フィレンツェで開催され、3万人の来場でにぎわった。来シーズンの最新情報を発信する同展示会は、世界のメンズファッションにおける最大規模で開催されており、今年はフローレンスのファッション協会が60周年の節目を迎えるにあたり、様々なイベントが併催。世界的に有名な歌手、アンドレア ボッチェッリのコンサートが行われたほか、Eゼニアによるファッションショーなど、盛りだくさんの展示会となった。
■主催者発表によると、バイヤーは前回比5%増の19,000人。国別来場者数ではドイツ(800バイヤー)、日本(799バイヤー)を筆頭に、スペイン(582)、英国(542)、中国(449)、トルコ(441)、フランス(402)、オランダ(383)、米国(294)、韓国(284)、スイス(271)、ベルギー(264)、ロシア(221)、オーストリア(175)、ポルトガル(145)、ギリシャ(120)、スウェーデン(108)、デンマーク(99)、香港(98)、ノルウエー(90)。出展ブランドは1090、レディス75を数えた。
■今回は「Ping Pitti Pong」(テーブルテニス=ピンポン)をテーマに、『コンテンポラリー グローバル ライフスタイル』が提案された。クラシコ・トレンドによると、スタイルはフォーマル、インフォーマルの継続に加え、エレガンスが切り口となる。テキスタイルは「くっきり」「はっきり」と目に見えるチェック、大胆なチェックに注目。衿巾は広くとり、ダブルのジャケット、シングルは2つボタン。着心地、軽さ、ソフト感を追求した仕立てが注目。キーカラーに引き続き〝ブルー〟を強調する。「アマルフィ」「コバルト」「ナポリ」「ロイヤル」など、ブルーのバリエーションとともに、今日のセーラースタイル&テーストが来シーズンのメンズ・クラシコ・トレンドとなっている。
■ここにきて、グレーが台頭してきた。来シーズンまではブルーが中心としているものの、グレーに対する注目度は高まってきている。スーツにおいても、従来のグレーではなく、コンクリートグレー、ライトグレーとともに、チェック柄がおもしろい。特に、大胆なチェックの進出が感じられる。コーディネートはホワイト(白)。シャツ、パンツ、ポロシャツなど、グレーにマッチする最愛の色として、白を取り上げる。また、ブラックではアスファルト、レモン、柑橘系のイエロー(黄色)も重要な色使いとしている。(Vol77_5~7Pに写真解説、購読者登録のみ閲覧可)
全般にメンズファッションのベースカラーはグレーへと移行の傾向を強めている。来春夏とは言うものの、今秋冬でもその動きが先取りされるだろう。最新ファッションを提案するなら、グレーを提案。同時に、上着ラペルを巾広で訴えるのも企画として楽しいだろう。