AOKIの広告にテーラーがクレーム

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AOKIの広告にテーラーがクレーム

先日のことだが、テーラーから電話があり、AOKIの広告にクレームをつけたと。繊研新聞に掲載されていた1頁全面広告の件だ。その内容は、いかにもハンドメードといわんばかりの写真(生地の上に指ぬきと針を持った手)、キャッチコピーには〝匠の技でしかつくれないスーツ〟と表現している。AOKIの本社広報に電話し、激しくまくしたてた。いくら業界紙とはいえ、あまり派手に広告を出すなら、公取(公正取引委員会)に訴えるとまで警告したらしい。そして「テーラー業界はおとなしい。我々の業態がないがしろにされている危機感を感じる。できるなら、全服連がAOKIに申し立てをするなど、業界を守ってほしい」と。

今、量販にしろ、アパレルメーカーは、急激な円安で原材料が上がるなどから、利益が圧迫されている。洋服のあおやまで知られる青山商事の4-9月における紳士服販売事業の営業利益が前期比7割減と発表され、紳士服業界に衝撃のニュースとなった。青山商事の下請け、取引業者に関しては、推して知るべし。いずれにしても、円安経済がしばらく現状で推移すると考えれば、小売価格を上げなければ利益が取れなくなってきている。その一つの方策として、ハンドメードを切り口にした付加価値の提案だろう。

反骨、正義、義理人情という言葉がぴったりの俳優高倉健、菅原文太が亡くなった。「網走番外地」、「仁義なき戦い」では、男はああいう風に生きるのが格好いいと思い、あこがれたものだ。昭和の時代がますます遠くなった。日本人、日本男児たるもののアイデンティティーが薄れていくような気がしてならない。英国には「女性の乱れは世の乱れ」という格言があるようだが、服装=身なりに構わなくなったら、世も末である。そうならないように、業界のみなさんにがんばってもらいたい。


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